ぷよぷよDrのムキムキダイエット

内科医による駆け出しダイエッターの備忘録

有酸素運動の危険さ。

有酸素運動の危険さについてあまり知らないなと思って調べてみました。

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有酸素運動を否定する気はないのですが

というかむしろ私は推進派ですが、

時々、目にする有酸素トレのデメリット記事。

 

アンチ有酸素トレ記事に反論するほど知識がないことに気付き

調べてみたってとこです。2次文献レベルですが十分な論拠だと思いますのでさっとお目通しを。

 

有酸素トレのデメリットは以下

Musculoskeletal injury

Arrhythmia 

Sudden cardiac death

Myocardial infarction

Rhabdomyolysis

Bronchoconstriction

 

結構なんでも起こりることが分かります。一個ずつ解説。

Musculoskeletal injury。要は怪我です。

そりゃ、足をくじいたり、転んだりはありますよね。道を歩いてたって同じです。交通事故にあうから外には出ませんって人じゃなければぜんぜんOKじゃないですか??

 

次。

Arrhythmia 不整脈です。

確かに危険です。特に危険なのは過去に不整脈を経験したことがある人&心臓に病を抱えている人です。

不整脈にはいくつか種類があるのですが、健常者でも無症状で置きうるものと、致死性不整脈といって、一旦生じると死ぬ確率が高いものまで様々です。致死性不整脈であれば体に除細動器を埋め込む手術が必要です。そもそも治療の必要な不整脈を持っている人は主治医と相談の上運動してもらうとして、自分が不整脈を持っているか分からない人は心電図を健診でやってもらえばいいと思います。

 

先ほど、健常者でも不整脈はでるとお話しましたがその様な不整脈は薬を飲む意味があまりないといわれています。もちろん気になる人は主治医と相談すべきですが、不整脈をとめる飲み薬自体が不整脈を生じさせるリスクがあり、自分の不整脈で死ぬリスクより薬で生じた不整脈で死ぬリスクが高いこともあります。その場合薬飲んだほうが不整脈起こりやすいなら

飲む意味自体ないですよね。そうした判断はやはり主治医と相談すべきですね。

 

Sudden cardiac death 心臓突然死です。

そもそもが稀なお話と書かれていました。

Association of episodic physical and sexual activity with triggering of acute cardiac events: systematic review and meta-analysis.AUDahabreh IJ, Paulus JK SO JAMA. 2011;305(12):1225. 

まあ、そもそも稀なのでどうでもいい気がしてきます。SEXでも心臓突然死はおきやすいシチュエーションですが心臓突然死が怖いからしないってことにはならないですよね、、、。

 

ちなみに有酸素トレで死ぬ頻度は3600万人に一人の割合という文献があります。JAMAという雑誌に載った論文で非常に権威ある医学雑誌。信頼度は高いです。しかし亡くなった人がベースに病気がなかったかという吟味は必要でしょうね。

Physical exertion, exercise, and sudden cardiac death in women.AUWhang W, Manson JE, Hu FB, Chae CU, Rexrode KM, Willett WC, Stampfer MJ, Albert CM SOJAMA. 2006;295(12):1399. 

35歳を超えていて、新しく運動を始める前には健診を受けることにメリットを感じます。実は心臓に病気を抱えていて運動始めたらダメでしたみたいなことになるなら、心電図一回とるとか、心エコー一回やるだけで病気じゃないことを確認できればはりきっ有酸素トレできますよね。

 

 

Myocardial infarction 心筋梗塞

これは心臓の血管がつまる危険なやつです。治療が遅れると死にます。

もちろんリスクがあって、高血圧、高脂血症、糖尿病、肥満、タバコですね。もともと心臓の冠動脈血管の動脈硬化が進んでいると血管が詰まりかけてます。そこに運動すると心臓が頑張って動きます。頑張って動くってことは心臓の筋肉の酸素需要が高まります。で、血管詰まっていれば酸素が運ばれてこないので心臓の筋肉は悲鳴を上げるのです。こういうリスクのある人は心電図を付けながら運動してもらう、トレッドミル検査ってのを受けたほうが無難です。運動自体が危険である場合はもちろん運動はダメです。私のブログの筋トレ、有酸素トレの方法はあくまでも健康な人限定です。週に4回以下の有酸素トレーニングはそれ以上やっている人よりリスクが高いようです。毎日やっている人のほうが体が慣れていて心筋梗塞自体が起こりにくいのかも。

 

Rhabdomyolysis 筋融解

これは超絶激しい運動後に生じます。激しいトレーニングは筋肉が壊れて回復過程で超回復(以前の筋肉量よりチョビットだけ増える)を起こして筋肉が大きくなっていくのですが、筋肉が壊れる量が多すぎるとそれ自体が体に毒なんですよね。自分ひとりでトレーニングして全身の筋肉が壊れるまで運動することは稀でしょうけど、トレーナーつけてやっている人は注意が必要かもです。何年か前にラグビー選手が練習後に横紋筋融解が原因で亡くなった記事がありましたが追い込みが激しいトレーニングは注意ってことです。

 

ただ、たかだか30分前後で筋肉を追い込むトレーニングの場合、追い込む筋肉は限られる気がします。全身の全ての筋肉を追い込むまで有酸素トレをする場面がそもそもないと思いますし、追い込む系でいえばHIITトレくらいでしょうからアスリートでない限り気にしなくてOKというのが私見です。

 

 Bronchoconstriction

最後に気管支収縮について。これは喘息をもっている方限定です。

運動すると喘息になる方は経験していると思います。運動するとおこります。ただ、有酸素運動を習慣的に行っている人はこの気管支収縮予防に役立つかもと記載されています。有酸素運動自体は確かに心肺機能を高めますので喘息の人は有酸素トレの利益を享受できる人たちだと思っていますが、これまた喘息発作中の方は言うまでもなくやるべきじゃありません。

 

 

まとめ

というわけで有酸素トレーニングについてのデメリットをまとめてみると

気がつきますね、健診の大事さ。健診で異常のない健常者の方はやはり有酸素運動のメリットの方が大きいってことです。有酸素運動のメリットは先ほど述べた心筋梗塞脳梗塞、糖尿病、肥満を予防するだけでなく、

癌を予防する効果がある程度存在します。

乳がん、大腸癌、膀胱がん、肺癌などなどいわゆる固形癌に予防効果があるかもと言われていてデメリットを知った上で、そして自分にはリスクがあまり無いと知った上でトレーニングしていくことが大事ですよね。

有酸素トレーニングはじめてみませんか?

 

 

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