新型コロナ 医療資源キャパ問題&予防
どーも。puyoDrです
新型コロナの拡大が止まらない的な報道を毎日みて疲れている方も多いのではないでしょうか。感染、感染と不安を煽ってるだけの報道も数多くここでいったんまとめておこうと思います。
・死亡率という数字
・武漢、イタリアでは何が起こったのか
・検査検査問題 検査陰性の意味
・自分でできること(予防)
死亡率マジック
そもそもテレビを見ていて思うのは報道する側が正しい情報を流せているか。
情報が錯そうしていないかという点において懐疑的です。
例えば先日、
元国立感染症研究所研究員で白鴎大教授の岡田晴恵氏は「日本は1528人の(感染者の)うちの(死者が)31人、2・1%って高いですよね。最高峰の医療の中でですから」と指摘しました。
この人物は国立感染症研究所出身の大学教授なのですがツイッターをみると見事にバッシングの的になっています。中には経歴にいちゃもんをつけている人もちらほらいてネットの怖さを痛感します、、、。
そんな中、ある人が冷静に批判的吟味をしています。批判的吟味とは感情を抜いて、発言にフォーカスして、この部分はおかしいよと指摘するやり方です。
その主張はこちら。
橋本徹氏の主張で、
日本の新型コロナ肺炎の死亡率は高いというが検査件数を絞っているからで検査件数を増やせば分母が大きくなるので死亡率は下がる。一方分子の死亡者数は肺炎死亡者は必ず検査をしているので死者数は確かでこの数字の増減はない。つまり岡田晴恵氏の主張の死亡率の高さで不安を煽るべきではないと言っています。
橋本氏の主張では『肺炎死亡者には必ず新型コロナの検査をしているから分子は一定』となっていますが私は厳密にはそうではないと考えています。肺炎の原因微生物は数多くありますし、高齢者でベッド上生活をしている方に肺炎で入院したからといって全例新型コロナ検査をしているとは思いません。ただ、今のご時世ですから、肺炎として入院している患者において、回復の遅れている、あるいは原因不明で容体が改善しない肺炎の患者には新型コロナ検査をするのは妥当ですし世の風潮を考えれば、容体悪化の肺炎患者はある程度コロナの検査をすると考えてよいでしょう。つまり新型コロナ肺炎の死亡者数はそう大きく間違った数字じゃないという主張は正しいと思います。
さらに橋本氏は死亡率の分母は総人口で考えるべきと言っています。ここには大きく賛成します。というのも、新型コロナウィルスに感染した患者数よりも死亡者及び重傷者の数の把握がとても大事です。
なぜかというと、
新型コロナ感染症の特徴は
・肺炎になる人もいる
・咳、発熱で終わる人もいる
・症状なんかでた?って人もいる
非常に個人で症状のばらつきが多いんですよね。しかも8割近くは軽症であることがわかっています。もちろん年齢、持病の有無で変わりますが。
で、大事なことは重傷者数を把握することです。集団感染はもちろん把握せねばならない案件なのですが感染拡大の動向と、どの程度死に直結するかという確率を出す話とごっちゃにしてはなりません。橋本氏の主張に乗っかるわけではないですが死亡率が高いという場合には分母にどの集団を持ってくるかで大きく解釈が変わるということです。その解釈の結果不安を大きく煽ると、武漢やイタリアの医療崩壊の二の舞になるので、敏感に反応せざるを得ない『死亡率』という単語は慎重に伝え手が認識せねばならない数字ということがわかると思います。
ちなみに検査数が多くなると検査の精度が落ちる話は下記の記事が非常にわかりやすいです。
『拝啓、コロナ脳の皆さま。孫正義さんの100万キット配布は医療崩壊するを簡単に説明するね』
http://agora-web.jp/archives/2044805.html
さて不安を煽るとその結果、コロナ検査してくれという集団心理が働き検査しまくると医療崩壊までの時間はガンガン短縮の一途です。私が思う医療崩壊の起こり方は以下。
今、この記事を書いている2020年3月16日現在、新型コロナウィルスの感染症は指定感染症です。基本的には入院してもらう感染症なんです。つまり検査で咳、発熱はあるけど日常生活はいつも通りって人は軽症ですがもれなく入院して感染拡大を防ごうとしています。検査をすれば本当に新型コロナに感染している人も、偽陽性と言って、検査エラーで陽性になった人も無関係に入院させねばならず、急性期病院の入院施設はどんどんと入院病床を減らしていくことになります。こうして医療崩壊は始まります。
というのは世の中の病気はもちろん新型コロナ肺炎だけではないんです。
新型コロナ患者の軽症者も入院させる現日本ではその患者数が増えれば、
本来他の病気で入院し治癒し元気で退院できた人達にも影響がでます。本来入院して治療が受けられた人が病院受け入れができなくなったら死ぬ可能性が上がるでしょう?
医療崩壊が起こってしまうと
死ななくてよい人も死ぬ可能性があることが厄介で
新型コロナでない人にも影響がでるというのはこういうことです。
武漢、イタリアでは何が起こったのか
一時、中国は情報の隠蔽をするので武漢の死亡者数等データに信頼をおけない的な話がでました。それに比べて中国以外での死亡率は高くないという特徴が確かにあります。
ただ、イタリアの死亡率は高いですね。武漢では2月の報道で4~5%前後の死亡率でした。イタリアではなんと7%前後の死亡率です。これをみると中国のデータの信頼性はあると考えるのが妥当でしょう。一気に死亡率が高まる瞬間は病気の問題というより、感染者数の一定時期の最大風速がキモです。武漢と同じことがイタリアで起きていると考えることが大事なのでしょう。
武漢とイタリアは医療崩壊という共通項がどうやらありそうに思います。先ほどから述べている通り、医療崩壊すると新型コロナ感染者+入院治療を必要とする患者の両方の死亡率が上がるはずです。月に10人は重症患者をさばける病院に月に100人の重症患者が押し寄せれば、その病院の機能はパンクするでしょう。現にイタリアでは人工呼吸器が足りず、60歳以上に挿管管理していいの?という議論まで出てきています。つまりイタリアでは人工呼吸器を必要な人全員にしてあげるだけの人工呼吸器の数は無いという状態なのでしょう。
例をだすと、500床規模の病院で集中治療室は10床から多くて15床程度です。
2006年の日本集中治療医学会の調査では人口10万人あたりなんと4床しか集中治療室はありません。もちろん集中治療室以外で重症者を治療できる病床はあるとは思いますがこの数字の数倍程度でしょう。10万人当たり4人前後しか一度に重症患者を受け入れられないという事実は知っておいてよいでしょう。医療資源には限りがあり、都市機能として重症者を治癒させるために必要な資源は非常に小さいことを知っておくのは大事ですよね。重症患者数の爆発的増加は超絶危険であることがわかるでしょう?
新型コロナ検査
検査を増やすと医療崩壊につながることは永江 一石さんの上記リンクで理解できたと思います。そして検査についてもう一つ大事な視点があります。検査を受けて陰性であった患者は果たしてコロナ感染症にかかっていない証明になるのか問題です。これは検査至上主義で思考停止している人がある一定数いると感じているので述べておきます。
新型コロナの検査をしても陰性を信用できるのかという問題があります。
検査陰性は
・検査精度的に偽陰性(本当は感染している)
・たまたま採取した検体にコロナウィルスがいない
・本当に感染していない
というパターンがあるわけです。ある検査をしたら100%診断がつくと勘違いしている人も多いかもですね。
とすると『検査で陰性でした』は感染していない証明にならないというわけです。
現在新型コロナの特徴として治療薬はないわけで、重症化するかどうかも
持病ありand/or高齢者以外の指標がない状況では、入院適応のある人に限る方針はある程度的を射ているでしょう。
じゃあ症状のある人はどうするか、出歩かず、治るのを待つしかないのです。
社会が体調不良にもっと寛容になるしか方法がないんですよね。
自分でできること(予防)
・手洗い
・うがい
・首から上をさわらない
・持病がある人は持病の改善に努める
これだけでしょう。以外に少ないんです。
特に手洗いは、不特定多数の人が触った可能性のあるものに触れた後は手を洗うことがコツです。ドアノブ、テレビのリモコン、手すりなどなどです。
首から上を触らないってのは、花粉症で目をこすったり、鼻をほじったり、粘膜に素手で触るのはご法度です。手にウィルスがついてるかもしれませんから手洗いの後にさわる習慣が吉。
持病については、改善の余地がある病気を持っている場合はそのコントロールをしましょうということです。例えば糖尿病の治療成績が悪いならよくするように、肺の病気があるのなら禁煙するなど、持病がよくなる余地があるなら改善につとめることで新型コロナ感染時のリスクをある程度は下げられるはずですね。