人工甘味料 to 糖尿病 !?
どーもぷよぷよDrです。
今回の記事は人工甘味料について。
人工甘味料、みなさんは使っていますか??
人工甘味料って聞くと、『人工』と名のつくものだから
あまり体に良い感じはしないですよね。
人工甘味料のネガティブキャンペーンの嵐!
むしろ、ネガキャン見て気がめいってしまうくらいです。
特に誰が監修しているのかわからないサイトなんかでは、
〇〇の可能性あり!と平気で書いてあります。
私が見つけたサイト(Googleで上位のサイト)では
『白血病、リンパ腫、卵巣収縮』の危険性があると心配される副作用欄に
記載があります。
医学書にそんなこと書いてあった記憶は全く無いですし、根拠も記載が無いところをみると単に不安をあおっているように見えます。そもそも卵巣収縮ってナンダ??そんな病名すらないっていう。
また、インスタグラムなんかをみていると、これまたやたら不安をあおる文言のオンパレードです。人工甘味料に関してこんなにネガティブな文言をよく目にする割に医学教育で人工甘味料について教育を受けていない我々医者はもしや世間とズレてる??
私もそうですが、確かに人工甘味料ってやっぱりあんまり体に良いイメージは無いんですよね。摂取しなくて済むのであれば摂りたくないなって。
というわけで調べてみました。医学系2次文献サイト、厚生労働省、freeで読めるネット上の論文を見てみました。
この記事の目次は以下!
※人工甘味料の分類
1 2次文献サイトの有害事象リサーチ結果
2 厚生省サイトの有害事象リサーチ結果
3 googleで論文さがした有害事象リサーチ結果
・Nature誌の発表
・Nature誌を検証
4 人工甘味料の総括
1 2次文献サイトの結果
まずいつも使っている医学系2次文献サイトにはそもそも人工甘味料の独立したコーナーはありませんでした。糖尿病患者の食事指導のなかに一節だけ人工甘味料のことを書いているのみ。
ふむふむ。
医学系2次文献サイトには、『人工甘味料摂らなくて済むなら摂らないで』的な書き方です。『摂らないで』とする根拠も示されていないし、人工甘味料摂ったらどんな有害事象があるのかも記載がないんです。これならその辺の根拠なしサイトとかわらないんだけど、、。
???。どう解釈してしてよいのか謎!
はい、次!
2 厚生省サイトの結果
厚生労働省のHPには有害事象あるよ!とは書いてません。
『むしろ虫歯になりにくくて良いよね、人工甘味料!』的な話を書いてます。
内閣府のフェイスブックをみても、管理ちゃんとしてるから有害事象なんて気にすんな的な話を書いています。有害事象は何があるか不明ですが、気にならない程度の有害事象がある旨記載されています。気にならない程度の有害事象がむしろ気になるって話ですけど、、。
事実、厚生省もアメリカのFDAという機関も人工甘味料はOKというスタンスです。
ネット上に落ちているfreeで読める多くの論文には『人工甘味料が安全であるかどうかは議論の余地がある』とあります。これは決定的な健康被害を生じる因果関係がまだないことを示しているのでしょうね。
余談ですが人工甘味料では虫歯になりにくいっていうのは個人的には興味深かった記載です(厚労省HP)。
簡単に言うと、砂糖は口の中のバクテリアで発酵して酸を作って歯を溶かすけど
人工甘味料はそもそも発酵されないので歯に影響少ないよ的なことを書いてます。
こういうメカニズムが分かっているのでガムにトクホマークが貼ってあったりするんですね。国の推奨があると消費者の心理として、歯の安全を謳われているので買っちゃいますよね。ガムを1つ売るにも戦略ばっちり!って感じですね。(余談ここまで)
さて、他のネット上の論文を探しました。
ここからが本題かも。
3 googleで論文さがした結果
Nature誌がどえらい論文を載せてます。
Artificial sweeteners induce glucose intolerance by altering the gut microbiota
と題して。
訳すと『人工甘味料は腸内細菌の代謝を変えてその結果耐糖能異常を引き起こす』。
ちなみに耐糖能異常というのは糖分とってきちんと正常血糖を保ってられるかを表した糖代謝の指標です。
例を出すと、ぶどう糖を飲むと一時的に血糖は上昇します。で、インスリンが膵臓から分泌されて血糖が下がるんですね。耐糖能が低い人は正常血糖になるまでの時間が遅い。つまりインスリンの量が減っているか、インスリンは分泌されているけどインスリン一個一個の血糖効果作用がポンコツかってことです。もう1つちなみに、デブい人はインスリンの作用がポンコツパターンが多いと言われています。おそらく私はそうかもしれません、、。やば!!
この論文が書かれたのは2014年なのでもう5年も前です。
10年以内の論文であればまあよしとしましょう(情報が古すぎると使えないので)。この論文も当時は結構インパクトがあったようです。大手のメディアでも取り上げられていました。
この論文では
1 マウスに人工甘味料を5週間与えたら耐糖能異常がでたよ。
2 人工甘味料で腸内細菌の代謝がダメージ受ける(マウスで。人間で同じことが言
えるか不明)。
3 抗菌薬(菌を殺す薬)を飲むと耐糖能異常の予防はできる。
4 人工甘味料が腸内細菌の代謝を変えてしまう。腸内細菌が変わるとマウスの体質も
かわっちゃう。
5 人間でも同じような傾向あることが分かったよ。
と主張しています。
衝撃的な内容の発表ですね。この論文のすごいところは断定表現をしているところです。
『人工甘味料で耐糖能異常をきたす』と言い切っているんですよ。
案の定といいますか、後で題名のインパクトが強すぎだとクレームついたようです。
そこは後ほど書いておきます。
この論文で衝撃なのは
たった数週間の人工甘味料摂取でマウスが耐糖能異常になってしまうのか!ということ。私たちは日ごろから人工甘味料を食ってんじゃん!私なんて、週に4~5回くらいダイエットコーラに、Metsのソーダとか、、、、!もしかして糖尿、、、?と一瞬ヒヤッとしてしまいます。
ではどの程度人工甘味料を気をつけなければならないのか。ここが大事ですよね。
要はすべての人工甘味料は毎日摂取でやばいのか?ということですね。
実はこの論文にはそこまで言及はしていないんですよね。
つまり、マウスでは耐糖能異常がでた=人間でも同じ結果、かどうかは不明だということです。『いやいや、ぷよDr!4で人間でも同じような結果って言ったじゃん!』ってツッコミきそうですね。この4の結果もビミョーで人工甘味料をすべて試して人間の耐糖能を悪化させたとは書いていないんです。試したのはサッカリンという人工甘味料のみなので、その他の人工甘味料で同じ結果が得られるかどうかが『わからない』ということが分かったんです(説明むずい)。
この論文の発見は人工甘味料をとると腸内細菌の代謝を変えてしまうこと、
そして腸内細菌の代謝がそのままその宿主(マウス)の代謝を変えていることがわかったってことです。
では人間においてどうか。
人工甘味料は人間において有害事象をもたらすかどうかはまだ決着がついていないですがサッカリンについては耐糖能異常をきたすかも!といっています。研究のデザインなんかもまだ人工甘味料=有害といえるほどの論拠は薄いです。つまり更なる研究が必要ということです。
さらなる研究が必要なのに
あたかも人工甘味料が糖尿になると断定しているかのようなタイトルは叩かれますよね、、、。
4 人工甘味料の総括
このブログで順を追っていろいろとお話しましたが
人工甘味料絶対ダメ!といえるだけの論拠は薄いことが分かりました。
こうなるとFDAとか厚労省のスタンスはもっともだと言えます。
カロリーを制限しなきゃならない肥満、糖尿病患者、ダイエッターはうまく使えばいいと思います。どうしても甘いものが食べたくなる、飲みたくなる場合は人工甘味料で逃げるというのはひとつの選択肢です。
逃げ場のないダイエットはそもそも続かないと思います。一生、揚げ物ダメ、ジュースダメ、お菓子ダメって生活管理で生きていけるぜ、ダイエット続くぜって人は全然OKですが、そんな人はダイエッターの何割いるのって感じです。
習慣的に例えば、毎日一本人工甘味料入りの清涼飲料水を飲むことで糖尿病になったりするかどうかはまだ分からない点です。毎日飲んでOKなのか一日おきならOKなのかすら不明です。ダイエットの逃げ場として使うのであれば週に数回摂取する程度で済みます。エスケープ手段として人工甘味料を使いつつ新しい研究結果を待ちましょう!